日々綴り

徒然なるままに、適当に

最近購入した本について

サカナクションの山口一郎さんの本

 最近、サカナクションにハマった。もともと、好きなバンドだったが、そこまで強烈で熱狂的なファンというわけではなかった。 

 

 僕は二ッチなバンドが好きだ。二ッチというほど、ファンが少ないわけではないが、例えばamazarashi。 

 

 詩とリズムが僕にはスッと入ってくる。独特な、汚いと言ったら失礼だろうが、声で伝えるメッセージは、心に響いてくる。詩はどちらかというと暗めと評価を受けるだろう。だが、僕には明るく感じる。背中にゆっくり手を置かれるように。 

 

 では、サカナクションはどうだろうか。 

 ロックでありながら、テクノミュージックを源流とし、確かな実力を謳いファンを獲得。そして、一部の人に響く歌詞を歌っている。山口さんの声で。 

 

 高校の時の友人が、サカナクションを非常に好きなのだ。尋常ではない。正直、異常と言って差し支えないだろう。それに関して、一、僕が話すと十、返答がくる。どれだけ好きなんだよと言いたくなる。 

 

 新譜についても、非常に詳しい。彼はしっかりアルバムごと聞くタイプだ。すべて聞いてから、そのアルバムの出来を僕に話す。 

 

 詳しくない僕は「そうなんだ」と頷くことしか出来ない。 

 

 そんな僕は、あるとき、アイデンティティという曲を聴いた。革命だった。アイデンティティというものを、うまく表現しているように感じた。女の子が好きな事も、凡庸な質問すらも自分の一部だと言っているように感じた。そんなあなたでいいのだと。 

 選ぶ必要はない、もう自分に選ばれている人生を自分で歩んでいるのだと。そう思えた。何故か、涙が出た。 

 しかも、止まらなかった。あんなに泣いたのは久しぶりだった。 

 

 それからというもの、僕は聴き漁った。 

 アルクアラウンド、モス、プリトーなど、僕にとってのお気に入り作品がいっぱいできた。まだまだ、ニワカもいいところだろうが、これからも沼っていきたい。 

 

 素晴らしい音楽を奏でる、サカナクション 

 すると単純な疑問が出てきた。それは、パーソナリティを知りたいという欲求だ。

 

 彼の哲学的な部分や訓練していたとき、彼はどのような思考をしていたのだろうか。ミュージシャンの原風景を覗きたくなった。この世が、どんな風に思えているのか、嵐か凪なのか。それとも、また別の何かか。 

 

 僕は楽しみだった。Amazonで2冊で4000円ほどだった。意外と高いが、そんなものだ。だって、詩集だから。装丁から、しっかり著者の拘りが感じる。デザイン性が高い。ある種の聖櫃といってもいいような、銀色に黒のメタリック。それから、YIと書かれたロゴマーク 

 

 読んでみると、短い文章が少しあるだけである。自分の裸体を白昼堂々見せているような、そんな具合い、真ん中に堂々と5行ほどだった。右上の日付けを見てみると、書いている期間は長く、まばらな月日だ。一部の休息期があり、活動期がある。(メモを編纂されているのだろうけど、まばらに書いている) 

 

 その生活の最中で、山口さんが感じた、社会や音楽、それと対立り、また一部で溶け混ざり合うかのような自分との対比、その雲のような事象に対して、まさに自分自身の為に訴えかけているかのような、そんな雰囲気。 

 

 文体は軽めだ。 

 

 だからか、僕はスッと飲み込めた。ごっくんと。 

 

 まだ途中までしか読んでいない。全部読んでみて、感じようと思う。理解できなくとも、他の人の言葉に触れることは、確かな人間性を醸成してくれると思うから。